コンバージョン(CV)とは? Webマーケティングにおける意味を徹底解説

2021年7月31日

Webサイトの運営をはじめると「コンバージョンが明確になっているか」「コンバージョン数を増やすには何を改善するべきか」という言葉をよく耳にします。コンバージョンはWebマーケティングにおける最重要単語ですが、その意味は複雑です。コンバージョンとは何か、Webマーケティングにおける定義と重要性をわかりやすく解説します。

コンバージョンは「転換」であり「成果」

コンバージョン(CV)は、英語の conversion が由来となっており、直訳すると「転換」を意味します。

Webマーケティングにおいて、「コンバージョン=Webサイトの成果」と定義される理由は、Webサイト内容が、ユーザーがWebサイトを「閲覧している」状態から、運営者であるあなたの期待する「アクション」を起こす状態へと「転換」するからです。

たとえば、ある商品を紹介するWebサイトでは、一人のユーザーが「購入」というアクションを起こすこと=コンバージョンです。

この閲覧からアクションへのコンバージョンが起きるユーザーを一人でも多くすることが、Webサイトの目的であり、成果の指標となります。

コンバージョンを設定するメリット

Webサイトのコンバージョンを設定しておくと2つのメリットを得ることができます。

1.コンテンツの方向性が定まる

コンバージョンはWebサイトの成果ですから、設定することによってゴールが明確になります。ゴールへユーザーを誘導するための道がコンテンツです。間違った方向へ誘導することがないよう、コンバージョンというゴールへの目印は必要不可欠です。

2.Webサイトの成果が数値化される

今のWebサイトが最も効果的なものであるか、改善の余地が残されているのかどうか、一目で判断することはできません。そこで、コンバージョンしたユーザーの人数(コンバージョン数、CV)や、アクセスしたユーザーのうちコンバージョンした割合を(コンバージョン率、CVR)によってWebサイトの成果を数字で表し、効果検証に用います。

最適なコンバージョンの決定方法

コンバージョンはWebサイトの成果ですから、それぞれのWebサイトごとに「コンバージョン」が指す転換のポイントは異なります。

はじめてWebサイトのコンバージョンを決定する際、最も役立つのはあなたのWebサイトに関連する商品・サービスのカスタマージャーニーです。

カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスを購入するまでに辿るプロセスのことです。次の図のようなカスタマージャーニーマップの形で可視化されます。

出典: IKEA STORE APP: TO MEANINGFULLY AUGMENT THE IKEA CUSTOMER EXPERIENCE ACROSS THE SHOPPER JOURNEY
http://www.madeleinewan.com/project/ikea

コンバージョンは、カスタマージャーニーマップ上のフェーズから次のフェーズへ顧客が移動するよう働きかけることです。

フェーズを取り出した簡易的なカスタマージャーニーを考えてみましょう。

「情報収集」のフェーズにいるユーザーへアプローチする場合には、「比較検討」のフェーズへ移動させることがコンバージョンとなります。

たとえば、洋服のトレンドを解説するWebサイトは、情報収集のフェーズにいるユーザーへ向けたコンテンツです。ユーザーがいくつかの商品カテゴリーに興味を持ったとき、瞬時に次のフェーズである商品の比較検討へ移動できるようECサイトとリンクしています。コンバージョンは、そのサイトからECサイトのリンクをクリックすることです。

あなたのWebサイトに訪問して欲しいユーザーのフェーズがわかれば、その次のフェーズがWebサイトの成果(コンバージョン)に最適です。そのため、まずはあなたが提供したい商品・サービスをユーザーがどのような経緯で手に入れるのか、カスタマージャーニーを明確にしましょう。

あなたの作成したWebサイトのコンテンツは、あなたが想定していたコンバージョンと隣り合わせのフェーズにいる顧客に有益なものであるか確認してみてください。

コンバージョンの種類

コンバージョンはWebサイトに一つだけである必要はありません。多くの場合、複数のコンバージョンを設定します。

たとえば、ECのサイトには「購入」以外にも「新規登録」や「お問い合わせ」など直接的に売り上げに影響しないコンバージョンも設定されています。

それぞれのコンバージョンをわかりやすく区別するため、コンバージョンから派生した用語が多くあります。

マクロコンバージョン、直接コンバージョン

Webサイトの主なコンバージョンのことを「マクロコンバージョン」「直接コンバージョン」と呼ぶことがあります。

マイクロコンバージョン、間接コンバージョン、アシスト

細かくユーザーの行動を区切り、それぞれのステップにコンバージョンを設定したものです。「マイクロコンバージョン」「間接コンバージョン」「アシスト」と呼ばれることがあります。

マイクロコンバージョンは主なコンバージョンの前段階として設定され、継続的に情報を提供することで主なコンバージョンに至る可能性を高めます。

たとえば、ECサイトでユーザーが「購入」を完了するまでには、「カートに入れる」→「注文内容を確認する」→「支払い方法を決める」→「フォーム入力」→「購入完了をクリック」と5つのステップに分けることができます。それぞれの間にコンバージョンを設定したものがマイクロコンバージョンです。広義にはSNSアカウントのフォローや、メールマガジンの登録などを指すこともあります。

マイクロコンバージョンはより詳細なデータを収集することができるため、Webサイトの細かい改善点を発見することが可能です。最終的なコンバージョンに向かうまでに、ユーザーにとってどのステップが障壁となっているかわかるからです。

ユニークコンバージョンと総コンバージョン

コンバージョンの計測方法によって、ユニークコンバージョンと総コンバージョンに分かれます。

ユニークコンバージョンとは、コンバージョンしたユーザーの数で、ユーザー単位のコンバージョンです。1人のユーザーが2回コンバージョンした場合も、コンバージョン数は「1回」でカウントされます。新規顧客の有無や利用者数の計測に適しています。たとえば、ECサイトで1人のユーザーが「購入」と「メルマガ登録」の両方をコンバージョンしたとしても、1と数えます。

総コンバージョンとは、ユーザーがコンバージョンした数で、アクション単位のコンバージョンです。1人のユーザーが2回コンバージョンした場合、コンバージョン数は「2回」カウントされます。コンバージョン数と同義で、単純なコンバージョンした数の計測です。たとえば、ECサイトで1人のユーザーが「購入」と「メルマガ登録」の両方をコンバージョンしたら、2と数えます。

エンゲージメント(engagement)

エンゲージメントとは、顧客が特定の商品やブランドに深い愛着や思い入れを感じることです。エンゲージメントした顧客は、特定の商品やブランドのイメージをSNSなどを通じて拡散してくれます。

カスタマージャーニマップでは「購入」のフェーズよりも後の「評価」フェーズへのアプローチです。商品レビューや口コミが売り上げに影響することから、エンゲージメントを意識する企業が増えてきています。

エンゲージメントは具体的に何を評価指標とするかは自由です。たとえば、Webサイトに設けたコメント欄のコメント数や、記事のフォロー数などがエンゲージメントの指標になります。

コンバージョンをSNSへのシェアやコメント、フォローしてもらうことに設定してしまえば、エンゲージメントと大差ないとも考えられます。しかし一般的に、コンバージョンは商品購入や新規登録などのアクションを設定することが多いため、エンゲージメントとは区別されています。

コンバージョンの測定方法

Webサイトのコンバージョンが会員登録や購入などであれば、すぐに数字として確認できます。しかし、ページ遷移やリンクのクリックをコンバージョンに設定していた場合はどうでしょうか。

アクセス解析ツールを使えば、コンバージョンを計測することができます。たとえば、「Googleアナリティクス」はGoogleアカウントさえあれば、無料で誰でも使用することが可能です。

細かいコンバージョンを設定できる他、アクセス数やユーザーの滞在時間も測定でき、さまざまなデータを取得することができます。

CTAの改善でコンバージョンを増やす

コンバージョンが伸び悩むWebサイトは、コンテンツが希薄であることやSEO対策が不十分であることなどさまざまな問題を抱えています。その中でも、コンバージョンの達成率を高める効果的な方法として、よくWebマーケティングにおいて注目される概念が「CTA」です。

CTA(Call To Action)とは、Webサイトを訪れた人が自然とコンバージョンへ向かうように誘導するWebサイト上の工夫を指します。以下の記事で、CTAの改善について触れていますのでご覧ください。

参考記事: CTAとは? CTAを改善するコツを紹介

CTAの改善は、直接的にコンバージョンの達成率に影響する施策です。コンバージョンを増やすために何からWebサイトを改善すればわからないときは、まずCTAの改善から始めてみましょう。

CTAを改善したいけれど考える要素が多く、Webサイトをいちいち修正するのは大変、という場合は、「ぽちっとクリック」を使うのもよいでしょう。ユーザーの目を引くデザインのCTAボタンを、かんたん設定ですぐ設置することができます。無料登録はこちらからいただけます。

まとめ

コンバージョン(CV)は「転換」という本来の英語の意味から、WebマーケティングではWebサイトの「成果」を表しました。Webサイトはコンバージョンを指標に、そのコンテンツの価値を評価されます。

コンバージョンの意味を理解できたら、次はカスタマージャーニーを上手く活用して適切なコンバージョンを設定し、コンバージョンの測定・分析を行いましょう。あなたのWebサイトを改善するヒントを得ることができるはずです。

常にコンバージョンを念頭に置いてWebマーケティングを成功させましょう。

コンバージョンの改善をしたいけれど、Webサイトをいちいち修正するのはたいへん、という場合は「ぽちっとクリック」がおすすめです。訪問者の目を引くデザインのCTAボタンを、かんたん設定ですぐ設置することができます。デザインもサイトにあわせて複数から選ぶことができます。スマートフォンやタブレットのマルチデバイスにも対応。無料登録はこちらからいただけます。

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